就労継続支援 とは? A型B型のサービス内容を解説
就労継続支援 とは、障害や難病などのために一般企業に就職することが困難な障害者に対し提供される障害福祉サービスのことです。 はたらく場を提供するとともに、知識・能力の向上のために必要な訓練を行います。
自分のペースや体調に合わせて就労の経験を積み、最終的には一般雇用されるのが目的となります。
この記事では、A型とB型の違いや、その内容などについて解説します。

就労継続支援 のサービス内容
就労支援には「就労継続支援」「就労移行支援」「就労定着支援」があり、いずれも身体障害・知的障害・精神障害・発達障害を問わず、障害のある方が必要とするサービスを利用できるような仕組みになっていますが、それぞれ目的やサービスの内容は異なります。
※ 主な障害福祉サービスの種類についてはこちらで解説しています。
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| 区分 | 就労継続支援A型 | 就労継続支援B型 | 就労移行支援 | 就労定着支援 |
| 目的 | 就労の機会及び生産活動の機会の提供 就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援 | 就労の機会及び生産活動の機会の提供 就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援 | 就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行い、その適性に応じた職場の開拓、就職後における職場への定着のために必要な相談等の支援 | 就職後、不安や悩みが生じたときには就労定着支援員が解決をサポートし、働きやすい職場づくりができるよう会社と連携する |
| 対象者 | 一般企業へ雇用されることが困難な方 | 一般企業へ雇用されることが困難な方 | 企業等への就労を希望する者 | 就労移行支援・就労継続支援・自立訓練・生活介護などの障がい福祉サービスを利用して「一般就労した」障がい者の方 |
| 利用期間 | 定めなし | 定めなし | 原則2年以内 | 最長3年間(1年ごとに支給決定期間を更新) |
障害者福祉施設における就労支援の概要 引用元:厚生労働省
就労継続支援 A型とB型の違い
就労継続支援A型事業所と就労継続支援B型事業所の大きな違いは、雇用契約の有無です。
就労継続支援A型事業所は利用者と雇用契約を結ぶのに対し、就労継続支援B型事業所は雇用契約を結びません。
以下にサービスの対象者と内容を解説していきます。
就労継続支援 A型事業所のサービス内容

就労継続支援A型事業所は、利用者が事業所内で働く機会を提供し、一般企業等に就職するために必要な知識を身につけたり、能力向上ための訓練を行う事業所になります。
利用者は就労継続支援A型事業所と雇用契約を結ぶため、「利用者」であると同時に「労働者」になり、最低賃金が保障されています。
事業所で行われる作業は、事業所が企業から請けている業務であるため、一般企業とあまり変わらない業務を行う事業所も多数あります。
就労継続支援 A型事業所の対象者
就労継続支援A型事業所の利用対象者は、一般企業などに雇用されるのが難しいものの、適切な支援があれば雇用契約に基づく労働ができる人です。
18歳以上65歳未満の利用が原則で「就労経験があるが、現在は働いていない人」または「移行支援事業や、特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが、企業等の雇用に結びつかなかった人」の条件を満たす必要があります。
なお、65歳以上の方も、65歳になる前の5年間サービスを利用し、65歳になる前日に就労継続支援A型の支給決定を受けていれば引き続き利用が可能です。
就労継続支援A型事業所の一日の流れ(例)
A型は一般企業への就職を目指す方が対象で、雇用契約を結び、最低賃金が保証されます。スケジュールは一般的な就労に近いです。
| 時間帯 | 内容 |
| 9:00 | 出勤・朝礼・体調確認 |
| 9:15 | 午前の作業開始(軽作業、事務補助など) |
| 12:00 | 昼休憩(1時間) |
| 13:00 | 午後の作業再開 |
| 15:00 | 小休憩(10〜15分) |
| 16:00〜16:30 | 作業終了・清掃・終礼・退勤 |
- 週5日勤務が基本ですが、体調や希望に応じて調整可能。
- 作業内容は企業に近い実務が多く、スキルアップを重視。
就労継続支援 B型事業所のサービス内容

就労継続支援B型事業所も、A型と同じく、訓練や支援を受けながら働くことができる障害福祉サービスですが、雇用契約に基づく就労が難しい場合に、雇用契約を結ぶことなくこと働くことができるという点が相違点です。
雇用契約に縛られないため、利用者が自身の状況に合わせてペースを崩さずに働けるという特徴があります。
就労継続支援 B型事業所の対象者
就労継続支援B型事業所の利用対象者は、就労移行支援事業所などを利用したものの、一般企業などに就職できなかった人で、雇用契約は結ばず、作業に応じた「工賃」が支払われます。
障害はあるものの、就労の機会を通して生産活動を営む知識や能力の向上・維持が期待される人や、一般企業や就労継続支援A型事業所で働いた経験はあるが、年齢や体力の面で勤めるのが難しくなった人や、
50歳以上、または障害基礎年金1級受給者、もしくは、就労移行支援事業者によるアセスメントによって、就労に関する課題が把握されている人も対象になります。
就労継続支援B型事業所の一日の流れ(例)
B型は体調や障害特性により雇用契約が難しい方が対象で、自分のペースで通所・作業できます。工賃は成果に応じて支払われます。
| 時間帯 | 内容 |
| 10:00 | 出勤・朝礼・体調確認・準備運動 |
| 10:15 | 午前の作業(内職、農作業、清掃、パソコン作業など) |
| 12:00 | 昼休憩(昼食提供ありの事業所も) |
| 13:00 | 午後の作業(継続または別作業) |
| 15:00〜15:30 | 作業終了・片付け・終礼・退所 |
- 週1回・半日から利用可能な事業所も多く、柔軟な通所が可能。
- 作業内容は多様で、軽作業から創作活動、地域活動まで幅広いです。
就労継続支援A型・B型事業所に必要な人員
- 管理者
- 事業所の運営全体に責任を持つ立場で、事業所に1人が必要です。
- 業務に支障がなければ他の職種と兼務できますが、サービス管理責任者との兼務が一般的です。常勤の職業指導員や生活支援員との兼務を認めない指定権者もあります。
- サービス管理責任者
- サービス提供に関するマネジメントを担当する、支援面のリーダー的な役割です。 個別支援計画の作成や他の職員への技術指導・助言を行います。
- 前年度の平均利用者が60人以下:1人以上(少なくとも1人は常勤)の配置が必要です。
- 前年度の平均利用者が61人以上:1人(常勤)に加え、61人目以降の利用者と40:1以上になるようにサービス管理責任者を追加します。
- 職業指導員・生活支援員
- 主に直接支援を担当する職員です。 職業指導員は、利用者の能力や適性・特性・要望などに応じて働くスキルの習得をサポート。 生活支援員は、利用者の生活をサポートします。
- 職業指導員と生活支援員の常勤換算上の合計人数が、前年度の平均利用者数を10で割った数以上となるように配置します。つまり前年度の平均利用者数10人に対して、職業指導員・生活支援員を1人以上(10:1以上)配置するということです。
- 職業指導員と生活支援員は両職種とも配置が必要で、そのうち1人以上は常勤でなければなりません。
まとめ
就労継続支援は障害や病気があっても、働く機会を提供することで、自立した生活ができるよう支援する障害福祉サービスになります。
A型・B型それぞれに特徴があり、働くためのスキルや訓練・支援を受けられます。
事業所ごとに特色があるので、事前に事業所見学をして、自身の障害や病気に合わせ、作業の内容や事業所の雰囲気を確認しておくと良いでしょう。

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