介護事務 の仕事内容とは? やりがい・辞めたいと思う理由について解説
介護事務 は、介護保険などに関する知識を活かして事務業務や管理業務を行い、介護職員等をサポートするのが主な仕事です。
ここでは、具体的な仕事内容や辞めてしまいたくなる理由について紹介します。
介護事務に興味ある方、介護事務を目指している方はもちろん、介護業界に興味を持っている方、事務職全般に興味ある方も、ぜひ参考にしてみてください。
介護事務 の主な仕事内容
介護事務 の仕事内容① 受付や窓口業務
関係機関からの事務連絡、利用者やその家族からの問い合わせ、職員からの業務連絡などが主な内容です。
来客・電話の応対はもちろんのこと、事業所によっては、経理や人事・総務業務も行います。
そのため、介護事務は事業所の顔であり、縁の下の力持ちです。 対応のいかんによって利用者からの評価も変わってくるので臨機応変な対応が求められます。
介護事務 の仕事内容② 介護報酬請求業務
介護事務は、「レセプト」と呼ばれる介護給付費請求書を作成し、市町村に介護報酬を請求する業務がメインになります。
レセプトに記入漏れや算定ミスなどがあると、返戻(差し戻し)されることもあります。
そのため、介護保険などの専門知識をもとに、正確に作成する必要があります。
※ 介護保険請求の流れに関しては、こちらで」紹介しています。
※ 国民健康保険団体連合会での介護給付費請求事務取扱いはこちら
参考 出典 : 北海道国民団体保険連合会(https://www.hokkaido-kokuhoren.or.jp/)
介護事務 の仕事内容③ 経理業務
事業所スタッフの給与計算のほか、収支管理なども行います。
経理業務では数字を扱うことが多いので、正確性が求められます。
介護事務 の仕事内容④ 総務・人事業務
事務用品やオフィス家具、施設で使う介護用品やベッド、テーブル、チェストなどの備品の管理や老朽化した部分の修繕を工事業者に依頼したり、破損した物品の修理など、総務・庶務の役割もこなします。
また、スタッフの勤怠管理や入退職の手続き、職員求人募集など人事業務も介護事務の仕事の一つになる場合があります。
介護事務 に向いている人とは?
介護事務とは、事業所のよりよい環境づくりを日々推進する仕事です。 介護に関する幅広い知識を持ち、柔軟に動くことが求められます。
ここでは、介護事務に向いている人の特徴を紹介します。
福祉の仕事に興味がある人
介護事務は、福祉関連の職務経験や年齢などはあまり関係ないため、介護業界に興味・熱意があることで適性ともいえます。
メインとなる業務は事務ですが、介護職員等のサポートなど、事業所を支える重要な仕事もあります。
数字に苦手意識のない人
介護事務の仕事は、市町村への介護報酬請求や利用者への料金請求など、さまざまな請求業務がありますので、数字に苦手意識のない人が向いています。
計算自体はそれほど難しいものではありませんが、正確でなくては、事業所や利用者に迷惑をかけてしまいます。
デスクワークが苦ではない人
書面やパソコン上でデータの入力、計算などの処理や、電話での関係先との取引やお客様への対応が主な仕事であるため、一日中デスクに座って業務に取り組む日も少なくありません。
そのため、コツコツと作業を進めるのが好きな人に向いています。
また、パソコン作業が多いので、ある程度の知識やスキルが必要です。
コミュニケーションをとるのが好きな人
介護事務は関連事業者・利用者やそのご家族・事業所職員など、さまざまな年代や立場の人と接する機会が多くあります。
報告・連絡・相談がしっかり出来、人と積極的にコミュニケーションをとるのが好きな人に向いています。
書類の提出期限(締切)が守れる人
レセプトは月末締めで翌月10日までに国保連に提出する必要があるため、書類の提出期限(締切)をしっかり守れる人でなければ、事業所の経営に支障をきたしてしまいます。
計画的に、確実に事務処理を行える、スケジュール管理能力に長けた人が向いていると言えます。
介護事務 が活躍できる場とは?
介護事務は主に、介護保険サービスを提供する事業所で求人募集をしています。
介護事務 が活躍できる場① 施設サービス
施設サービスを展開する事業所では、主に以下の事業所で介護事務が必要とされます。
- 介護付き有料老人ホーム
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- グループホーム 等
介護事務 が活躍できる場② 居宅介護サービス
在宅利用者に介護サービスを行う事業所の場合は、主に以下の事業所で介護事務が必要とされます。
- 通所介護事業所
- 訪問介護事業所
- 訪問看護事業所
- 福祉用具貸与・販売事業所
- 居宅介護支援事業所
- 地域包括支援センター 等
介護事務 は人気の職業?
人気の理由は、以下の通りです。
- 求人の少ない事務職でも介護業界なら未経験でも見つかりそうだから
- もともと介護職をやっていたが、体力的に厳しくなってきたため事務職を希望
- 主婦でも事務職なら空いている時間で働けそうだから
このような理由で人気があるのですが、希望をもって介護事務になったという方でも数ヶ月すると「辞めたい……」なんて思ってしまうケースがあります。
介護事務 を辞めたいと思う理由とは? 代表的な理由
- 専門知識が必要な介護事務
- 時には肉体労働も!? 介護職との兼務によるギャップ
- 介護事務業務の多忙さ 時期によっては忙しい!?
- 給与の安さ
- 何でも屋になってしまう
以上のようなことが辞めたいと思う理由に挙げられます。
1.専門知識が必要な 介護事務
一般的な事務のイメージは、オフィスワークでパソコンと向き合って、エクセルやワードを使いこなしながら、仕事を行うイメージではないかと思います。
介護事務では、介護報酬請求業務をはじめとし、経理・総務・人事業務、受付業務などの事務処理の仕事がメインとなります。
介護事務は介護報酬請求業務だけでなく、幅広い業務をこなしていかなければならない仕事であり、介護サービスにおいて重要な役割を担っているといえます。
2.時には肉体労働も!? 介護職との兼務によるギャップ
高齢化が進む中、社会的ニーズが高まりつつある介護業界ですが、業界の離職率は高く、多くの施設が人手不足といった現状です。 そういった中、介護事務員も介護補助の仕事をする場合があります。
せっかく事務職として入ったのに、肉体労働ばかりで全然イメージと違った・・・と後悔する場合もあります。
3.介護事務 業務の多忙さ 時期によっては忙しい!?
介護サービスの利用料は介護報酬の請求と合わせて、利用料の請求額を計算して、翌月に請求をします。
そのため、月末から請求期限の翌月10日までが、忙しい期間となります。 そのうえ経理・人事総務業務や介護のサポート業務がある場合、更に忙しくなります。
経理や人事業務にも締め切りがあるため、締め切り前は残業になる可能性があります。
4.給与の安さ
介護業界のニーズが高まっているとはいえ、給料や待遇面はそこまで恵まれていません。
加えて、介護事務は一般的な事務と違い、事務仕事以外にも肉体的な労働もあり、辛い面があるにも関わらず、給料はそこまで高くないはありません。
また、仕事の能力差が出てくる職業ではあるものの、昇給もあまり望みにくい環境でもあるため、自分の給料に不満を持っている人も多くおられるのではないでしょうか。
5.何でも屋になってしまう
介護事務はデスクワークが中心ですが、ケアマネジャーのサポートをしたり、問い合わせ窓口として接客したり、ときには介護の手伝いをお願いされることもあります。
介護事業所のお仕事は基本的に、どこの会社も人手不足であるため、どのスタッフにも余裕がありません。
そのため、雑用を頼まれたり、あちらこちらと色々な質問を受けたり・・・ そういった対応を重ねていくと、何でも屋になってしまうことが多々あります。
そのため、「もっと、オフィスで落ち着いた雰囲気で事務のお仕事をしたい…」「本来業務に専念したい…」と思うようになり、介護事務を辞めたいと思ってしまうようです。
介護事務 のやりがいとは?
ここでは、介護事務だからこそ感じられるやりがいを紹介します。
- 利用者から感謝される
- 専門知識を生かして働くことができる
- 介護現場を支えるやりがいを感じながら働ける
- 介護事務の一日のスケジュールの例
- 介護事務のキャリアアップ
1.利用者から感謝される
介護事務の仕事は、受付業務や経理、人事総務など、施設の顔として毎日のように利用者とやり取りする機会があります。
笑顔で対応するなど、利用者のことを第一に考えることで、感謝されることも多いでしょう。
2.専門知識を生かして働くことができる
介護事務は、介護保険制度の知識やレセプト作成などの専門的なスキルが求められます。 専門性の高い業務に対応することで、やりがいを感じることも多くあります。
また、レセプト作成は、事業の経営に関わる非常に重要な業務です。締切や提出期限があるので忙しい時もありますが、それ以上に充実感や達成感を味わえます。
3.介護現場を支えるやりがいを感じながら働ける
介護事務は通常の事務業務のほかに、ケアマネジャーのサポートなど、介護現場を陰で支える縁の下の力持ち的な役割を任される場合も少なくありません。
特に超高齢化社会においては、介護の需要が高まるとともに現場の忙しさも増しています。
その現場を支えるさまざまな仕事をこなす中で、やりがいを感じる瞬間も多いでしょう。
4.介護事務 の1日のスケジュールの例
基本的には日勤のみになります。ここでは、デイサービス(居宅介護サービス)に就業した場合の1日のスケジュール例を見ていきましょう。
- 9:00~ ミーティング メールチェック 送迎
- 前日からの申し送り事項の確認やメール確認 利用者送迎のドライバーなどがあります。
- 10:00~12:00 事務業務
- 受付業務や電話応対などのほか、レセプト作成・給与計算・経理業務などを行います。
- 12:00~13:00 昼休憩
- 午後も円滑に業務をこなすために、休憩はできるだけ規定の時間通りに取ります。
- 13:00~18:00 事務業務 送迎
- 午前中にやり残した業務や、来客応対など、引き続き事務業務を行いつつ、必要応じて利用者送迎のドライバーも担当します。
- 翌日への申し送り事項がある場合はその旨を記録に残して業務を終えます。
5.介護事務のキャリアアップ
一般事務からスタートし、事務経験とスキルを積み重ねることで、主任やマネージャーへと昇格していきます。 介護施設の開設、運営などに関わるポジションに進むことが可能です。
キャリアアップを成功させるためには、コミュニケーション能力や問題解決能力といったリーダーシップやマネジメントスキルが必要です。 常に介護業界の知識を深め、多様な経験を積むことで、広い視野と柔軟な思考を身につけることができます。
まとめ
いかがでしたか?
超高齢社会(65歳以上の人口が全人口の21%を占める社会)を迎えた日本では、今後も介護施設や介護事業所の役割は重要で、介護職のニーズは高まる一方です。
とくに介護保険制度は、国や地方自治体と連携して地域で介護を担っていくために運営されていて、介護報酬請求という国民健康保険団体連合会から保険金を受け取る仕組みが続く限り、介護事務の業務がなくなることはありません。
介護事務の仕事には忙しい時も暇な時もあり、突発的に急ぎの仕事が舞い込むこともあります。
どんな事情があっても、介護事務が守らなければいけないのが期限です。
仕事の繁閑を見通し、期限を確実に守れるよう仕事を進められる計画性のある人が介護事務に向いていると言えます。
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