通所介護 (デイサービス)とは? サービスの内容を詳しく解説!

通所介護 (デイサービス)とは、要介護状態となっても、利用者が可能な限り利用者の自宅において、持てる能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し、必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者の社会的孤立解消及び心身の機能の維持並びに利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図る目的で提供されるサービスのことです。

通所介護とは

通所介護 (デイサービス)の目的

通所介護(デイサービス)のサービス内容は、要介護状態にある高齢者がデイサービスセンター等へ通い、入浴・排せつ・食事等の介護、機能訓練を行います。 基本的には、センターの方が自宅からセンターまで送迎します。 利用者が楽しく通えるように、書道、陶芸、生け花、リズム体操など様々なプログラムが用意されています。 デイサービスに通うことにより、外出と他者との交流の機会ができるため、閉じこもりや孤立を防ぐことにつながります。

また介護する家族の方にとっても、デイサービスを利用している間は介護から解放されますので、気分転換ができるでしょう。

リハビリテーションを必要とする場合は、通所リハビリテーション(デイケア)の利用が適切と考えられますが、デイサービスの中でも、機能訓練指導員によるリハビリテーションを行える施設が多くなっています。

引用元:厚生労働省 通所介護・地域密着型通所介護 ・認知症対応型通所介護

01_通所介護・地密通所・認知症通所 (mhlw.go.jp)

お泊りデイサービスについて

デイサービス利用後にそのままその事業所に泊まるサービスとして「お泊りデイサービス」があります。 ご本人の状態や希望により選択されることとなります。 日中のデイサービスは介護保険に基づき提供されますが、お泊りデイサービスは介護保険が適用されないため、宿泊費は全額自己負担となります。 

認知症対応型 通所介護

認知症対応型通所介護は、認知症の方を対象にした通所介護サービスです。通所介護(デイサービス)と同じように、食事や入浴などの日常生活上の支援や機能訓練などが受けられます。特徴は、利用定員12人以下の小規模であることや認知症の専門的なケアに慣れた職員がいることです。要介護1~5の方が利用可能で、要支援1、2の方は介護予防認知症対応型通所介護となります。

地域密着型サービスなので、原則としてお住いの市区町村以外の施設は利用できません。

療養 通所介護

療養通所介護は、医療的なケアが必要な方や看護師の観察が必要な方が利用することができる通所介護サービスです。一般的な通所介護(デイサービス)のサービスに加えて、必要に応じて医療ケアを受けることができます。主治医や訪問看護ステーションと連携していることや、1日9人以下の小規模であることが特徴です。要介護1~5の方が利用できます。要支援1、2の方は利用できません。 地域密着型サービスなので、原則としてお住いの市町村以外の施設は利用できません。

地域密着型 通所介護

地域密着型通所介護は、利用定員が18人以下の小規模な通所介護サービスです。少人数なため、通所介護(デイサービス)よりも、手厚いサービスを受けることができます。要介護1~5の方が利用でき、要支援1、2の方は利用できません。

地域密着型サービスなので、原則としてお住いの市町村以外の施設は利用できません。

通所介護 (デイサービス)の内容

次に、デイサービスで行っている具体的なサービス内容と1日の流れを紹介します。

デイサービス 1日の流れ

デイサービスのサービス内容としては、以下の7つがあります。

  1. 健康チェック
  2. 食事介助
  3. 入浴介助
  4. 排泄介助
  5. 送迎サービス
  6. レクリエーション
  7. 機能訓練

1.健康チェック

デイサービスでは毎回、健康チェック(血圧・脈拍・体温等の測定)が行われます。

健康状態を確認した後で入浴やレクリエーション・機能訓練などのサービスを受けることになります。

2.食事介助

デイサービスのサービス提供時間によっては、昼食が提供されます。

食事制限が必要な方、咀嚼(噛む)や嚥下(飲み込み)が困難な場合は、介護職員により食事介助が行われます。

食事時間は他の利用者と会話を楽しれるので、他者との交流も兼ねた大切なひと時です。

3.入浴介助

要介護者にとって自身での入浴は困難な場合が多いため、デイサービスで介護職員の介助を受けて安全に入浴できるのは、とても貴重なサービスです。

車いすのまま入浴できたり、寝た状態での入浴が可能な機械浴槽を備えている場合があります。

4.排泄介助

ひとりで排泄することが難しい方や排せつ機能に障害を持つ方には、介護職員がトイレへの誘導、排泄の手伝い、おむつ交換等を行います。

5.送迎サービス

デイサービスでは、送迎が基本サービスに含まれています。

送迎の範囲はセンターごとに定められているため(通常片道30~40分程度)、その範囲を超えると対応出来ないか、家族による送迎が必要な場合もあります。

6.レクリエーション

多様なニーズに対応して多彩なプログラムを用意しているデイサービスが増えています。

「ご本人の希望に沿っているか」「好きなプログラムを自由に選べるか」「個別プログラムはあるか」なども確かめましょう。 手工芸などの趣味の活動、ゲーム、歌など様々なレクリエーションに参加できるのもデイサービスの大きなメリットです。

7.機能訓練

機能訓練とは「歩く」「階段を上る」などの日常的に必要な動作をスムーズに行えるようにするための訓練です。

機能訓練には身体機能の維持を目的とした歩行訓練や、レクリエーションを楽しみながら行う訓練など、様々な種類があります。

「孫と遊ぶために歩けるようになりたい」「食事がひとりで取れるようになりたい」など、利用者の要望にあわせて柔軟に取り組んでいく必要があるといえるでしょう。

通所介護 (デイサービス)を利用することの利点

高齢になると、社会的な役割が薄くなるにつれて、自宅へ引きこもることが多くなります。 刺激の少ない生活を送ることは、認知症を引き起こす要因にもなります。 また日常生活を送る中で、必要な食事や入浴、排泄などの動作を自力で行うことが難しくなってきます。 こうしたことを予防するためには、社会参加、身体機能の維持・向上が必要です。

 さらに、要介護者がデイサービスを利用している間は、家族などの介護者の介護負担の軽減にもつながります。 介護者が自分の時間を過ごし、リフレッシュする時間を保つことは、介護を長続きさせるためにもとても重要なことです。

通所介護利点

通所介護 (デイサービス)の施設の職員体制

通所介護を実施する施設には、次のような職員が在籍していることになっています。

職員体制
  • 管理者
    • 専従の常勤者1名(兼務可)
    • 管理者は、施設の管理や運営、人材マネジメントなどを行います。小規模施設の場合は、介 護業務を行いながら管理業務も兼務することがあります。
  • 生活相談員(社会福祉士等)
    • サービス提供時間に応じて専従で1人以上
    • 生活相談員は、社会福祉士、精神保健福祉士などの資格を持ち、施設利用に関する相談に応じます。ケアマネジャーと連携しながら、連絡調整や契約手続きなどの事務も担当します。
  • 看護職員(看護師・准看護師)
    • 単位ごとに専従で1名以上(提供時間帯を通じて専従する必要はなく、訪問看護ステーション等との連携も可能)
    • 看護職員は、看護師または准看護師の資格を持ち、利用者の健康状態の確認や医療的ケアなどを行います。
  • 介護職員
    • 単位ごとにサービス提供時間に応じて専従で、利用者数が15人までの場合は1人以上、利用者数が15人を超える場合は、利用者数が1増すごとに0.2人を加えた数以上を配置。または、単位ごとに常時1名配置すること。
    • 介護職員は、食事や入浴など身の回りの世話や移動介助など様々なケアを行います。レクリエーションの計画や実施も担当します。
  • 機能訓練指導員(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、あんまマッサージ指圧師)
    • 専従で1人以上
    • 機能訓練指導員は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、柔道整復師または、あん摩マッサージ指圧師のいずれかの資格を持っています。できる限り自立した日常生活を送るために様々な機能訓練を実施します。他の職種と兼務することも可能です。

通所介護(デイサービス)の利用方法

まずは要介護認定を受けるために、市区町村役場か地域包括支援センターで要介護認定の申請をする必要があります(申請から約1ヶ月程で、認定結果が記載された介護保険証が届きます)。

認定結果が要介護の方は、居宅介護支援事業所へ相談し、どこのデイサービスを利用するか決めましょう。

認定結果が要支援の方は、総合事業の通所型サービスが利用できますので、地域包括支援センターへ相談します。

総合事業の通所型サービスは、介護予防を目的とし、デイサービスセンター等の施設で、入浴、排泄、食事等の介護、日常生活上の支援や機能訓練、レクリエーション等を日帰りで利用できるサービスです。

訪問介護との違い

在宅介護サービスで、通所介護とよく比較されるのが、訪問介護です。

デイサービスは介護事業所に通いながら、施設に勤務する介護スタッフによる介護サービスを受けますが、訪問介護は、ホームヘルパーが利用者の自宅に訪問して介護サービスを提供するという大きな違いがあります。

※ 訪問介護については、こちらをご参照下さい。

通所リハビリテーション(デイケア)との違い

通所リハビリテーション(デイケア)には、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリテーションの専門職が利用者100人に1人以上設置されており、リハビリが必要だと医師が判断した利用者にリハビリテーションを行います。

料金は通所介護(デイサービス)よりも通所リハビリテーション(デイケア)の方が少し高めになっています。 リハビリテーションにこだわらない場合は通所介護(デイサービス)も検討すると良いでしょう。

通所介護 (デイサービス)の利用料金

通所介護(デイサービス)の自己負担額は費用の1~3割です。  また、要介護度、利用時間、利用するデイサービスの種類、施設の所在地等によって金額が異なります(表1参照)。

また、介護保険の給付の対象になっていない食事やおやつの代金、娯楽で使用した材料費などは自己負担となります。 オムツを使用している方は、家で使用しているものをあずけることが可能なところもあります。  サービス時間は、3時間以上、1時間ごとに設定されております。 

通常規模型通所介護 1日当たりの自己負担額(1割の場合)の目安 2024年4月1日時点

要介護区分3時間以上4時間未満4時間以上5時間未満5時間以上6時間未満6時間以上7時間未満7時間以上8時間未満8時間以上9時間未満
要介護1370円/回388円/回570円/回584円/回658円/回669円/回
要介護2423円/回444円/回673円/回689円/回777円/回791円/回
要介護3479円/回502円/回777円/回796円/回900円/回915円/回
要介護4533円/回560円/回880円/回901円/回1,023円/回1,041円/回
要介護5588円/回617円/回984円/回1,008円/回1,148円/回1,168円/回

※お住いの地域により単価が異なります(上記表は1単位10円の場合となります)。

※2割負担の場合は上記金額が2倍、3割負担の場合は3倍になります。

その他の加算

個別機能訓練加算Ⅰイ56円/日
個別機能訓練加算Ⅰロ85円/日
個別機能訓練加算(Ⅱ)20円/月
入浴介助加算(Ⅰ)40円/日
入浴介助加算(Ⅱ)55円/日
認知症加算60円/日
栄養改善加算200円/日
口腔機能向上加算150円/日

※ここに記載されているのは一部です。 サービス事業所によっては、別途加算が発生する場合があります。

※別途、必要に応じ昼食代やおやつ代が発生します。

2024介護報酬改定の内容

2024年度介護報酬改定内容は下記のとおりで、通所介護は基本報酬が2~6単位引き上げになります。

基本報酬

通常規模型

要介護区分3時間以上4時間未満4時間以上5時間未満5時間以上6時間未満6時間以上7時間未満7時間以上8時間未満8時間以上9時間未満
要介護1370単位
(368単位)
388単位
(386単位)
570単位
(567単位)
584単位
(581単位)
658単位
(655単位)
669単位
(666単位)
要介護2423単位
(421単位)
444単位
(442単位)
673単位
(670単位)
689単位
(686単位)
777単位
(773単位)
791単位
(787単位)
要介護3479単位
(477単位)
502単位
(500単位)
777単位
(773単位)
796単位
(792単位)
900単位
(896単位)
915単位
(911単位)
要介護4533単位
(530単位)
560単位
(557単位)
880単位
(876単位)
901単位
(897単位)
1,023単位
(1,018単位)
1,041単位
(1,036単位)
要介護5588単位
(585単位)
617単位
(614単位)
984単位
(979単位)
1,008単位
(1,003単位)
1,148単位
(1,142単位)
1,168単位
(1,162単位)

大規模型Ⅰ

要介護区分3時間以上4時間未満4時間以上5時間未満5時間以上6時間未満6時間以上7時間未満7時間以上8時間未満8時間以上9時間未満
要介護1358単位
(356単位)
376単位
(374単位)
544単位
(541単位)
564単位
(561単位)
629単位
(626単位)
647単位
(644単位)
要介護2409単位
(407単位)
430単位
(428単位)
643単位
(640単位)
667単位
(664単位)
744単位
(740単位)
765単位
(761単位)
要介護3462単位
(460単位)
486単位
(484単位)
743単位
(739単位)
770単位
(766単位)
861単位
(857単位)
885単位
(881単位)
要介護4513単位
(511単位)
541単位
(538単位)
840単位
(836単位)
871単位
(867単位)
980単位
(975単位)
1,007単位
(1,002単位)
要介護5568単位
(565単位)
597単位
(594単位)
940単位
(935単位)
974単位
(969単位)
1,097単位
(1,092単位)
1,127単位
(1,122単位)

大規模型

要介護区分3時間以上4時間未満4時間以上5時間未満5時間以上6時間未満6時間以上7時間未満7時間以上8時間未満8時間以上9時間未満
要介護1345単位
(343単位)
362単位
(360単位)
525単位
(522単位)
543単位
(540単位)
607単位
(604単位)
623単位
(620単位)
要介護2395単位
(393単位)
414単位
(412単位)
620単位
(617単位)
641単位
(638単位)
716単位
(713単位)
737単位
(733単位)
要介護3446単位
(444単位)
468単位
(466単位)
715単位
(712単位)
740単位
(736単位)
830単位
(826単位)
852単位
(848単位)
要介護4495単位
(493単位)
521単位
(518単位)
812単位
(808単位)
839単位
(835単位)
946単位
(941単位)
970単位
(965単位)
要介護5549単位
(546単位)
575単位
(572単位)
907単位
(903単位)
939単位
(934単位)
1,059単位
(1,054単位)
1,086単位
(1,081単位)

その他主な加算

個別機能訓練加算Ⅰイ56単位/日(変更なし)
個別機能訓練加算Ⅰロ85単位/日(76単位/日)
個別機能訓練加算(Ⅱ)20単位/月(変更なし)
認知症加算60単位/日(変更なし)
入浴介助加算(Ⅰ)40単位/日(変更なし)
入浴介助加算(Ⅱ)55単位/日(変更なし)
科学的介護推進体制加算40単位/月(変更なし)
ADL維持等加算(Ⅰ)30単位/月(変更なし)
ADL維持等加算(Ⅱ)60単位/月(変更なし)
高齢者虐待防止措置未実施減算(新設)※注1所定単位数の100分の1に相当する単位数を減算
業務継続計画未実施減算(新設)※注2所定単位数の100分の1に相当する単位数を減算
介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)(新設)※注3所定単位数×92/1000
介護職員等処遇改善加算(Ⅱ)(新設)※注3所定単位数×90/1000
介護職員等処遇改善加算(Ⅲ)(新設)※注3所定単位数×80/1000
介護職員等処遇改善加算(Ⅳ)(新設)※注3所定単位数×64/1000
介護職員等処遇改善加算(Ⅴ)(新設)※注3所定単位数×81~33/1000(令和7年3月31日まで算定可能)

※注1 虐待の発生またはその再発を防止するための以下の措置が講じられていない場合
・虐待の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等の活用可能)を定期的に開催するとともに、その結果について、従業者に周知徹底を図ること。
・虐待の防止のための指針を整備すること。
・従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること。
・上記措置を適切に実施するための担当者を置くこと。

※注2 以下の基準に適合していない場合
・業務継続計画(BCP)を策定すること
・当該業務継続計画に従い必要な措置を講ずること
 ※2025年3月31日までの間、感染症の予防及びまん延の防止のための指針の整備、および非常災害に関する具体的計画の策定を行っている場合には、減算を適用しない。

※注3 介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算について、現行の各加算・各区分の要件及び加算率を組み合わせた4段階の「介護職員等処遇改善加算」に一本化を行い2024年6月1日から開始する。その際、令和7年3月31日までの経過措置期間を設けることとする。

まとめ

高齢者は、外出の機会や家族以外との交流が減り、社会から取り残されたような孤独感を感じます。 デイサービスに通うことで、食事や入浴、排せつ介助などの日常生活上の支援や体操などの機能訓練で日常生活を維持出来るよう支援してもらえます。 また、集団でのレクリエーションやクラブ活動などもあり、家族以外と交流する貴重な機会になります。 家族にとっても、安心して介護から離れられる貴重な時間となります。 本人にも家族にもメリットの大きい通所介護(デイサービス)の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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