認知症対応型通所介護 ( 認知症デイサービス )とは?

認知症対応型通所介護 ( 認知症デイサービス )は、市町村管轄による地域密着型介護サービスの一つです。 認知症や介護が必要な高齢者が、住み慣れた地域で安心して生活を続けられるよう専門的なケアを提供します。

ここでは、認知症対応型通所介護のサービス内容や、通常のデイサービスとの違いなどを解説します。

認知症デイサービスとは

認知症対応型通所介護 ( 認知症デイサービス )とは

認知症対応型通所介護 ( 認知症デイサービス )とは、認知症の方が可能な限り自宅で自立した生活を送れるように、食事や入浴などの日常生活上の援助や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供し、心身機能の維持・向上を目指す介護保険サービスです。

自宅に引きこもりがちな認知症の方の社会的な孤立を解消することや、家族の身体的・精神的な負担を軽減することも目的とし、小規模な通所介護サービスを提供します。

また、認知症デイサービスは、単独型、併設型、共有型の3種類があります。

  • 単独型
    • 認知症デイサービス を単独で運営している事業所を指します。
  • 併設型
    • 病院や特別養護老人ホーム等の施設に併設されている事業所のことです。
  • 共有型
    • グループホームなどの食堂や居間を借りて運営されている事業所を指します。

認知症対応型通所介護 ( 認知症デイサービス )のサービスの内容

認知症対応型通所介護は、脳血管疾患、アルツハイマー病等により認知機能が低下し日常生活に支障が生じている要介護者に対して、デイサービスセンター等において、入浴、排泄、食事等の介護や機能訓練を提供するサービスです。 2006年4月の介護保険制度改正により、地域密着型サービスの一つとして位置づけられました。

地域密着型サービスは、認知症高齢者や中重度の要介護者が、住み慣れた自宅や地域でできるかぎり生活が続けられるように、地域ごとの実情に応じた柔軟な体制で介護サービスが提供されるしくみです。地域との連携や運営の透明性を確保するために2016年からは定期的に運営推進会議の開催が義務付けられています。

サービスを提供する事業所の指定や指導監督は、事業所が所在する市町村で行います。

どんなサービスがあるの? - 認知症対応型通所介護

引用元:厚生労働省

認知症対応型通所介護 ( 認知症デイサービス )の利用対象者

利用対象者

サービスを利用するためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 住んでいる地域の事業所であること
    • 対象者となるには事業所と同じ市町村に住んでいる必要があります。
  • 要介護または要支援の認定を受けていること
    • 要支援1や要支援2の方でも、認知症の症状があきらかにみられる場合は、介護予防認知症対応型通所介護を利用することができます。
  • 医師によって認知症との診断を受けていること

認知症対応型通所介護 ( 認知症デイサービス )の人員体制

人員体制
  • 管理者:厚生労働大臣が定める研修を修了している者
    • 通常のデイサービスの管理者は資格がなくても管理者になれますが、認知症対応型通所介護の場合は研修修了が必須です。
  • 生活相談員:1人(事業所のサービス提供時間に応じて1人以上配置)
    • 社会福祉士、社会福祉主事、精神保健福祉士、介護福祉士のいずれかの資格が必要です。
  • 看護職員又は介護職員:2人(1人+単位のサービス提供時間に応じて1人以上配置)
    • 単位ごとに提供時間数に応じて配置が必要です。
  • 機能訓練指導員:1人以上
    • 看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師のいずれかの資格が要り、同じ事業所での他の職務との兼務が可能です。

※共用型の場合は、間借りしている施設の入居者と認知症対応型通所介護の利用者の合計により従業員の員数が変わります。

通常のデイサービスとの違い

認知症対応型通所介護では、厚生労働省の定めにより利用者の定員は運営単位ごとに12名以下と決められています。 通常のデイサービスと比較すると、介護スタッフ1人当たりに対する利用者の数が限られているため、一人ひとりに合った手厚いサポートを受けることができます。医師により認知症の診断を受けた人が対象であるため、認知症に関する高度で専門的な知識をもって、手厚い人員配置による専門的ケアの実施します。

また、2006年の介護保険法改正に伴い、認知症対応型通所介護は地域密着型サービスのひとつとなりました。地域密着型サービスとは、認知症や介護が必要な高齢者が、住み慣れた地域で安心して生活を続けられるように提供されるサービスのことです。そのため、利用者は原則として当該市区町村住民に限られます。

一日の流れ

認知症対応型通所介護の一日の流れは、通常のデイサービスと比較し大きな違いはありません。

認知症デイサービス の一日の流れ

利用料金

通常型通所介護(デイサービス)と同様、自己負担額は費用の1~3割です。  また、要介護度、単独型、併設型、共用型の事業所形態、施設の所在地等によって金額が異なります(下表参照)。

また、介護保険の給付の対象になっていない食事やおやつの代金、娯楽で使用した材料費などは自己負担となります。

オムツを使用している方は、家で使用しているものをあずけることが可能なところもあります。

(介護予防)認知症対応型通所介護 1日当たりの自己負担額(1割の場合)の目安

単独型

サービス提供時間要支援1要支援2要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
3時間以上4時間未満475円526円543円597円653円708円762円
4時間以上5時間未満497円551円569円626円684円741円799円
5時間以上6時間未満741円828円858円950円1,040円1,132円1,225円
6時間以上7時間未満760円851円880円974円1,066円1,161円1,256円
7時間以上8時間未満861円961円994円1,102円1,210円1,319円1,427円
8時間以上9時間未満888円991円1,026円1,137円1,248円1,362円1,472円

併設型

サービス提供時間要支援1要支援2要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
3時間以上4時間未満429円476円491円541円589円639円688円
4時間以上5時間未満449円498円515円566円618円669円720円
5時間以上6時間未満667円743円771円854円936円1,016円1,099円
6時間以上7時間未満684円762円790円876円960円1,042円1,127円
7時間以上8時間未満773円864円894円989円1,086円1,183円1,278円
8時間以上9時間未満798円891円922円1,020円1,120円1,221円1,321円

共用型

サービス提供時間要支援1要支援2要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
3時間以上4時間未満248円262円267円277円286円295円305円
4時間以上5時間未満260円274円279円290円299円309円319円
5時間以上6時間未満413円436円445円460円477円493円510円
6時間以上7時間未満424円447円457円472円489円506円522円
7時間以上8時間未満484円513円523円542円560円578円598円
8時間以上9時間未満500円529円540円559円578円597円618円

※お住いの地域により単価が異なります(上記表は1単位10円の場合となります)。

※2割負担の場合は上記金額が2倍、3割負担の場合は3倍になります。

認知症対応型通所介護 代表的な加算

入浴介助加算(Ⅰ)一般浴と機械浴の区別なく入浴介助を行った場合40円
入浴介助加算(Ⅱ)身体の状況や居宅の状況に近い環境を踏まえた個別入浴計画を作成し、入浴介助を行った場合55円
生活機能向上連携加算(Ⅰ)外部のリハビリテーション専門職と連携して、機能訓練のマネジメントを行った場合100円/月(3月に1回を限度)
生活機能向上連携加算(Ⅱ)外部のリハビリテーション専門職が事業所を訪問し、機能訓練のマネジメントを行った場合200円/月
100円/月(個別機能訓練を算定している場合)
個別機能訓練加算(Ⅰ)個別機能訓練計画に基づいた機能訓練の実施をした場合27円/日
個別機能訓練加算(Ⅱ)個別機能訓練加算(Ⅰ)に加えて、個別機能訓練計画等の内容を厚生労働省へデータ提出した場合20円/月
ADL維持等加算(Ⅰ)評価期間に連続して6ヶ月以上利用した期間のある要介護者の集団について要件を満たした場合30円/月
ADL維持等加算(Ⅱ)ADL維持等加算(Ⅰ)の要件を満たし、評価期間の終了後にもBarthelindexを測定し、介護支援専門員へ報告した場合60円/月
口腔機能向上加算(Ⅰ)利用者の口腔機能を把握し、言語聴覚士や歯科衛生士等が共同して口腔機能改善管理指導計画等を作成した場合150円/回(月2回を限度)
口腔機能向上加算(Ⅱ)口腔機能向上加算(Ⅰ)の要件を満たし、利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画等の内容等の情報をLIFEを用いて厚生労働省に提出した場合160円/回(月2回を限度)

※ここに記載されているのは一部です。 サービス事業所によっては、別途加算が発生する場合があります。

※別途、必要に応じ昼食代やおやつ代が発生します。

まとめ

認知症になり自宅に引きこもりがちになると、どんどん孤立していき、症状の進行とともに徐々に気が滅入ってしまうこともあります。

専門的ケアを提供してくれる認知症対応型通所介護を利用することで、ご本人も穏やかに過ごすことができ、ご家族も介護を抱えこまずにすむというメリットがあります。

少しでも興味がある方は、一度事業所の見学に行ってみてはいかがでしょうか?

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