障害者総合支援法に基づく 居住地特例 とは? 制度について解説
障害福祉サービス等の支給決定は、原則として、障害者又は障害児の保護者の居住地の市町村が行うこととされています。 ただし、障害者施設や高齢者施設等へ入所(入居)された方の障害福祉サービスについて、一律に施設等所在地の市町村を実施主体としてしまうと、施設等が多くある市町村に、財政負担が集中してしまいます。 こうした不均衡を是正するために設けられた仕組みが「 居住地特例 」です。
ここでは、居住地特例 について、制度の内容や介護保険についての関係など分かりやすく解説します。
居住地特例 とは
施設所在市町村の財政負担を軽減する観点から、障害者総合支援法に規定する特定施設に該当する施設に入所した場合、その支給決定は当該施設入所前の市町村が実施することとされています。 これを 居住地特例 といいます。
居住地特例制度では、障害福祉サービス等の利用者の方がお住まいの市町村から、他市町村の障害者支援施設や介護保険施設、有料老人ホーム等の居住地特例対象施設に入所等された場合に、入所等する前の市町村が引き続き、障害福祉サービス等の支給決定者や実施主体となる制度です。
居住地特例の対象となる施設等に継続して入所等する間(他の対象施設等に移る場合を含む。)は、居住地特例は継続し、最初に施設に入所等する前の市町村が引き続き、支給決定者や実施主体となります。
特定施設は、以下が対象となります。
- 障害者支援施設
- のぞみの園
- 児童福祉施設
- 療養介護を行う病院
- 生活保護法第30条第1項ただし書の施設
- 共同生活援助を行う共同生活住居
- 有料老人ホーム、軽費老人ホーム、養護老人ホーム(地域密着型特定施設を除く。)
- 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院
Microsoft PowerPoint - 01_【資料1】居住地特例について
引用元:厚生労働省(令和3年8月)
居住地特例 における身体障害者手帳に係る手続きについて
居住地特例対象の方は、変更届の提出は必要ありません。
身体障害者手帳の記載住所の変更を希望される場合は、施設入所前の市町村で届出をすることになります(その場合、記載される住所は住民登録地となります)。
介護保険サービスにおける住所地特例の仕組み
介護保険においては、住所地の市町村が保険者となるのが原則とされています。
ただ、その原則のみだと介護保険施設等の多く所在する市町村に給付費の負担が偏ってしまうことから、施設等の整備が円滑に進まないおそれがあります。
このため、特例として、介護保険3施設 、特定施設、軽費老人ホーム、養護老人ホームに入所する場合には、住所を変更しても、変更前の市町村が引き続き保険者となる仕組み(住所地特例)を設けています。
その後、対象施設間を移動した場合にも、元の保険者が引き継がれます。対象施設以外に住所を移した場合、その住所地がある自治体が保険者に変わります。
※ 介護保険サービスにおける住所地特例に関しては、こちらで詳しく解説しています。
令和5年4月より、障害者総合支援法における居住地特例で対象とする介護保険施設等は介護保険制度の住所地特例の対象施設等と同様となります。
まとめ
いかがでしたか?
居住地特例制度は、市町村間の財政負担の不均衡を調整するためにあるものです。
転居に伴う障害福祉サービスの増加がないため、市町村においても、ある程度財政面での予想がしやすいというメリットがあります。
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