障害福祉サービス請求における 返戻 対応方法とその流れについて解説

障害福祉サービスにおける 返戻 (へんれい)とは給付費請求の内容不備により国民健康保険連合会(国保連)から差し戻しされることです。

こちらでは、請求から返戻になるまでの流れ、返戻通知が来た際の対応方法などを解説します。

返戻とは

返戻 とは?

障害福祉サービス提供事業所は基本的に給付費等の9割を、毎月1日~10日という限られた期間内に国保連合会を通じて市町村に請求し、審査支払を受けます。

残りの1割は利用者へ請求しますが、利用者の収入等の状況に応じて負担上限額が4段階定められており、利用者の負担上限を超える分は国保連へ請求します。

国保連の審査段階で、請求内容が不適切であったり、国保連に登録された事業所情報、受給者情報と請求内容に相違があったりした場合、給付費の支払が行われず事業所に請求情報が戻されます。

障害福祉サービス提供事業所は、請求内容の修正を行い再度請求を行うことになります。

再請求になれば、国保連からの支払いも遅れることになるため、返戻を防ぐチェック体制を整えることが必要になってきます。

給付費請求から 返戻 に至る流れ

サービスを提供した事業所は、サービス提供の翌月1~10日までに給付費請求情報を電子請求受付システムで国保連に伝送します。

給付費情報とは、請求書、請求明細書、サービス提供実績記録票、利用者負担上限額管理結果票及びサービス利用計画作成費請求書などの情報を指します。

給付費請求情報は国保連で審査後、不備がなければ請求月の翌月(サービス提供月の翌々月)に国保連よりサービスを提供した事業所に支払われます。

給付費請求の流れ

審査で不備が見つかると返戻となり、請求の翌月(サービス提供の翌々月)1~5日頃にインターネット経由で「返戻通知」が送られてきます。

返戻として差し戻された請求は、請求の翌月(サービス提供の翌々月)に再請求する必要があります。

再請求などの事務作業の手間や、入金の遅れを防ぐためにも、返戻を出さない体制を整えることが必要です。

また、国保連から請求が差し戻される「返戻」に対し、支払いが確定した給付費をサービス事業所が取り下げることを「過誤」と言います。

返戻通知を受理した場合の対応方法

事業所が送信した給付費情報は、国保連合会における点検及び市町村における審査を行い、返戻となった場合は下記の帳票を作成し、電子請求受付システムにて通知されます。

国保連から送信される返戻通知には下記の2種類があります。

  • 障害福祉サービス費等支払決定増減表
    • 市町村、サービス提供年月ごとに請求差、返戻の状況を通知するための帳票です。
  • 返戻等一覧表
    • 返戻となった請求情報を確認するための帳票です。

インタフェース仕様書

引用元:厚生労働省

よくある返戻の対応方法

返戻通知にはエラーコードが記載されています(エラーコードとは返戻理由を英数字で表したものです)。 

ここでは、よくある返戻事例について、エラーコードとその返戻事由、対処方法を解説します。

該当の請求情報は既に受付済、または請求情報内で重複する情報が存在しています

  • エラーコード EC01
    • 原  因:同じ受付月に同一の請求情報が複数送信されているか、同一の市町村情報が複数送信されています。
    • 対応方法:1回目送信分の請求のみ受付され、2回目以降に送信された請求分が重複しているため返戻となっています。1回目の請求に誤りがある場合は、市町村等へ過誤申立を行ってください。

修正、または取消の対象となる利用者負担上限額管理結果票が存在していません

  • エラーコード EC09
    • 原  因:上限額管理結果票が作成区分「修正」または「取消」で送信されているが、該当する上限額管理結果票情報が提出されていません。
    • 対応方法:上限額管理結果票の提出の有無・返戻状況等を確認してください。 上限額管理結果票が未提出または返戻の場合は、作成区分「新規」でデータを作成して提出する必要があります。

受給者台帳にサービス提供年月時点で有効な受給者の認定情報が登録されていません

  • エラーコード EG02
    • 原  因:受給者台帳に登録されていない「受給者証番号」で請求されています。 受給者証番号が誤っているか、市町村等の受給者台帳に受給者情報が未登録の可能性があります。
    • 対応方法:受給者証の「受給者証番号」を確認してください。 請求内容が正しい場合は市町村等に受給者情報の登録状況を確認してください。

請求情報の上限額管理事業所番号が受給者台帳の「利用者負担上限額情報・上限額管理事業所番号」と一致していません

  • エラーコード EG05
    • 原  因:請求明細書の上限額管理事業所と受給者台帳の上限額管理事業所が一致していません。 事業所が上限額管理事業所を誤って請求したか、市町村等の受給者台帳に上限額管理事業所が登録されていない可能性があります。
    • 対応方法:請求明細書の上限額管理事業所と受給者証の上限額管理事業所を確認してください。 請求内容が正しい場合は市町村等に受給者情報の登録状況を確認してください。

受給者台帳で受給資格を喪失している受給者です

  • エラーコード EG20
    • 原  因:受給者台帳で受給資格喪失とされた年月以降のサービス提供年月で請求されています。 事業所がサービス提供年月を誤って請求したか、市町村等の受給者台帳に支給決定情報が登録されていない可能性があります。
    • 対応方法:受給者証のサービス種別・支給決定期間を確認してください。 請求内容が正しい場合は市町村等に受給者台帳の登録状況を確認してください。

まとめ

いかがでしたか?

返戻を防ぐためには事業所内のチェック体制の整備が重要ですが、返戻通知が来てしまった際は、請求情報の再確認・関連機関への連絡など手順良く進めていく必要があります。

返戻が発生する要因としては以下の内容が挙げられます。

・請求内容に記載漏れや記載誤りがある

・契約支給量や決定支給量、提供量が範囲内に収まっていない

・すでに該当月の請求がされている(重複請求)

返戻を防ぐには「ダブルチェック体制」を構築することが大切です。

請求処理を1人の職員だけに任せたり、返戻が発生しやすい上記のような要点を確認出来ないまま請求処理を終えてしまうと、返戻に繋がりやすくなります。

返戻になると入金が遅れるだけでなく、再請求処理が必要になるため、作業効率も低下することになります。

まとめ

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