特別養護老人ホーム (特養)とは? その特徴や入居条件を解説
特別養護老人ホーム とは、在宅での生活が困難な要介護状態の高齢者が入居できる介護保険施設ですあり、「特養」の呼称で広く知られています。
有料老人ホームなどに対して費用負担が少ない点が魅力ですが、要介護3以上の方が入居対象であるなど、条件が厳しく設定されています。
こちらでは特別養護老人ホームの種類や、入所要件などについて、ご紹介します。

特別養護老人ホーム とは
特別養護老人ホーム は、地方自治体や社会福祉法人の運営による公的な老人ホームであり、介護保険法では介護老人福祉施設と呼ばれています。
原則として要介護3以上の方が入居できる介護施設で、24時間にわたり介護サービスを受けることが出来ます。
要介護高齢者のための生活施設であり、入浴・排せつ・食事等の介護・その他、日常生活の世話、機能訓練・健康管理および、療養上の世話を行う介護施設と厚生労働省により定義されています。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) 引用元:厚生労働省
特別養護老人ホーム の特徴
特別養護老人ホームには、広域型特別養護老人ホーム・地域密着型特別養護老人ホーム・地域サポート型特別養護老人ホームの3つのタイプがあり、定員や居住地域の制限、サービスの内容が異なります。
- 広域型特別養護老人ホーム
- 広域型特別養護老人ホームは、定員が30名以上の施設で、入居者の居住地域の制限がありません。一般的な特別養護老人ホームは、広域型特別養護老人ホームのことを指します。
- 地域密着型特別養護老人ホーム
- 地域密着型特別養護老人ホームは、定員が29名以下の施設で、入居者の居住地域の制限があり、施設が設置されている市区町村に住民票がある方のみ入居可能です。
- 施設形態は、サテライト型と単独型に分かれています。
- サテライト型は、広域型特別老人ホームなどを本体施設として、徒歩20分以内の場所に設置されており、本体施設と連携しながら運営しています。
- 単独型は、本体施設を持たないため、主にショートステイやデイサービスの施設に併設されています。
- 地域サポート型特別養護老人ホーム
- 地域サポート型特別養護老人ホームは、在宅介護を受けている高齢者に365日・24時間体制で見守りや援助を行う施設で、利用できる居住地域に制限があります。
※ 地域密着型サービスに関しては、こちらで詳しく解説しています。
参考記事:地域密着型 サービスとは? サービスの種類や特徴について解説
介護老人保健施設(老健)との違い
特別養護老人ホーム(特養)は、介護保険法上、介護老人福祉施設と呼ばれますが、混同されやすい介護施設として介護老人保健施設があり、「老健」とも呼ばれています。
「特養」は、介護を受けながら長期間にわたって生活する施設であり、看取りも行っていることから、「ついのすみか」にもなり得ます。これに対して「老健」は、3~6ヵ月程度の期間の入居を前提に、作業療法士や理学療法士等によるリハビリテーション、栄養管理・食事・入浴などの日常サービスまで併せて提供し、在宅復帰を目指すための施設という違いがあります。
養護老人ホームとの違い
特別養護老人ホームと養護老人ホームは名称も似通っていますが、その目的は異なります。
特別養護老人ホームは、介護や生活サポートを目的とした介護保険適用の施設であるのに対して、養護老人ホームは、身寄りがない、経済的に困窮しているなど、生活が困難な方を養護して自立を促していきます。あくまで養護が目的であるため、入居要件には「身体的に自立している」旨の記載があり、介護保険は適用外になります。
特別養護老人ホーム の入所基準
特別養護老人ホームへ入所するには、以下の要件を満たす必要があります。
- 原則として要介護3以上
- 65歳以上
- 伝染病に罹患していない
重度の認知症、自宅の介護で虐待が認められる、独居で家族や地域の支援が難しいなど、例外として「要介護1・2」でも入居できる場合があります。

特別養護老人ホーム で受けられるサービス
特別養護老人ホームでは食事、入浴、排せつなどの日常生活上の支援、掃除や洗濯、買い物などの生活支援、健康管理・リハビリテーション・レクリエーション、看取りといったサービスが受けられます。
- 食事
- 栄養士が献立を考え、栄養バランスや入居者の身体状況・嗜好を考慮した食事が提供され、必要に応じて食事の介助も受けられます。 入所者の状態に応じた栄養状態の維持や改善、計画的な栄養管理を受けられます。
- 入浴
- 1週間に2回以上、入所者の希望や心身状態に合わせて入浴サービスを受けられます。寝たきりの方でも機械浴槽などを使用して入浴することが可能です。
- 排せつ
- 心身の状況に合わせた必要な排せつの介助を受けられます。
- 生活支援
- 居室の掃除、洗濯、買い物など、施設職員(または委託業者)が定期的に行います。 また、行政機関への手続きなども、本人や家族がおこなうことが困難な場合、同意を得たうえで施設が代行する場合があります。
- 健康管理
- 医師や看護職員が入所者の心身の健康状態をチェックし、必要に応じて健康保持のための適切な措置がおこなわれます。 緊急時や夜間帯には、オンコール体制を敷いており、医師や看護職員の緊急対応も可能となっています。
- リハビリテーション
- 食事や排せつなど日常生活を営むのに必要な機能の低下を予防するための機能訓練が受けられます。
- レクリエーション
- 施設では、レクリエーション行事がおこなわれています。 手芸や習字・身体を使うゲーム、ショッピング、季節ごとの行事などのイベントを開催しています。
- 看取り
- 特別養護老人ホームは終身利用が可能な施設であるため、看取りに取り組む施設が増えています。 医師、看護師、介護士、ケアマネジャー、栄養士などさまざまな職種の連携のもと、看取りに関する介護を受けられます。
まとめ
特別養護老人ホームは、重度の要介護者が24時間体制の介護サービスを、所得に応じ比較的安価な費用で利用出来るのが特徴です。
重度な介護への対応、終身利用など「終の棲家」としての施設を検討される場合は、非常に安定した選択肢となります。

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